友人が毎日朝9時に株価の変動をみている。それはまるで最優先の仕事のようで、一分でも大きく変動するので 下がりかけたらすぐに持ち株を売らないと大損するという。
現代にあって、株価と外為の変動は毎日のニュースであり、それが経済生活の指標にまでなっている。
だが、こうした株式や外国通貨の価値が毎日コロコロと変わるのは 持っている現金紙幣に書かれている数字が常に同じではなく コロコロと変動していることと同じである。
なぜなら 株式も外国通貨も現金紙幣に両替することができるからだ。
貨幣の由来は物々交換を容易にするために考案されたシステムである。
それは商品の量を測る秤のようなもので、交換したい商品の価値を貨幣という秤で測定して決め、同価値の商品と交換できるというシステムである。
その場合、商品の需要と供給によって その時と場の商品価格は変動するが、貨幣そのものは価格を表す数字であり、それもその時とその場で、変動してしまったら、価格は決定できなくなってしまい 商品交換は成立できず 経済は混乱してしまう。
いわば、商品価値を計る貨幣という秤が壊れてしまった状態で、物品の売買も流通もサービスもストップしてしまい、生活困難になるようなものである。
外国通貨はその国の現金貨幣であり、その国にとっては商品価格を決める秤であるので変動してしまうと混乱するが、その通貨以外の国にとっては変動して困る場合は、その国の商品の輸出入がある場合だ。日本でも輸入石油や小麦の値段また、車の輸出価格が大きく変動すれば生活が混乱するが、輸出入のない国内商品においては困ることはない。
一体どうして商品価値の秤である貨幣がまるで商品と同じように売買され、その価格が変動してしまったのだろうか?
それは株式が企業債券の一種であるように、貨幣の貸し借りができ、貸し出しや返済が順調にいくように利息がつけられたため、そうした債券がその返済信用度によって、その価格が上がり下がりするようになったためだ。
国際通貨も 国債の発行とその売買できることで、それは貨幣が内外で 利息付きの貸し借りが行われるために、その返済信用度によって貨幣価格が変動するようになった。
「悪貨は良貨を駆逐する」と言われるように、債券が現金よりも流通したような形が今である。
今後信用度によって、その価格がコロコロと変動する債券貨幣(貸し借りできる貨幣)に変わって 信用度が高く ほとんど変動しない貨幣が必要になってくることは間違いないだろう。
それはベイシックインカム電子通貨(ビットコインと対照的にした呼び名BIコインと呼ぼう)であろう。
BIコインを貸し借り信用度100%にするには、たとえ貸し借りができたとしても、確実に100%返済されるようにすれば、利息を付ける必要もないので、その価格は変動しない。
貨幣制度がなかった時代 原始部落のように その日に収穫したものは全員で公平に仲良く分けることで、部落全員の平和と安定した生活をしていた。貨幣制度は競争によって経済は大きく発展したが貧富の差は大きくなり、それが戦争という悲惨な結果を生んでしまう弊害もある。
日本でも戦争や災害時には貨幣よりも食品配給券が国民みんな平等に与えられて 生活を守った。
貨幣は物々交換を便利にするためだけでなく、国民すべての命を守る平等な衣食住ができる配給券が必要不可欠である。
この憲法に保障された基本的人権である、健康で文化的生活できる権利として、国民すべて平等に暮らせる衣食住配給券としてのBIコインは平和時であっても、必要不可欠である。BIコインがあった方がむしろ余計な戦争もしなくてすむので 他国へ侵略する必要もなくなる。
BIコインが国民すべて平等に配給されれば 貸し借りする必要のなくなるし、それを奪い合うこともしないだろう。それは生きるのに最低必要な衣食住配給券なので、それを使ってギャンブルしたり投資したりすることもない。
この国民すべて平等に与えられる配給券BIコインは 貨幣制度がなかった平和な部落が行っていた今日の収穫をみんな平等に分かち合う分配券のようなものであるので、 商品交換 債券 ギャンブル投資ゲームの道具としての貨幣通貨とは違うものである。
この発行と回収は以前書いた「ベイシックインカムとその税とその電子マネー」で、毎月すべての国民の銀行預金口座にBIコインが降り込まれる。衣食住に使った企業などに集まり預金されたBIコインは翌月すべて回収され、そこで働く人も働かない人もみな平等にまた個々人の口座に配給預金される。
今流通している貨幣と併用して流通することで、基本的生活はBIコインで、それ以上の楽しい生活は現貨幣で 平和と安定生活を調整できるようにすればいいだろう。