政治と金と刃

娘の教科書に孟子の梁惠王上4の抜粋が載っていていたく娘が感動していた。

 梁の恵王が云った。
願わくば意を安んじて先生の教えを受けたいと思う、と。
孟子が答えて云った。
人を殺すのに杖を以てするのと刃を以てするのとでは異なることがありましょうか、と。
恵王は云った。
どちらも異なることはない、と。
孟子が云った。
それでは刃で人を殺すのと、政治で人を殺すのでは異なることがありましょうか、と。
恵王は云った。
どちらも異なることはない、と。
孟子は云った。
王宮の厨房には肥えた肉が有り、厩舎には肥えた馬が有ります。
そして国内を視れば民に飢色が有り、野には餓死者が居ります。
これでは獣に人を食わせているようなものです。
獣同士が共食いをするのを見れば、人はこれを悪みます。
民の父母たるべき位に在りて政を行なうに、獣を率いて人を食わせるを免れざれば、どうして民の父母と為すことができましょうか。

この前の梁惠王上3にも類似の内容が記されている。

五畝の宅に桑を植えて収穫させれば、五十の者まで絹を着て暖をとることが出来ましょう。
家畜を養うに無闇に殺さず時節を得れば、七十の者まで肉を食すことが出来ましょう。
百畝の田を耕すに、無闇に労役を課すことがなければ、一家族が飢えることはないでしょう。
学校における教を謹み、その上に孝悌(こうてい)の義を存す、さすれば老年の者が道に荷物を背負うことは無くなりましょう。
七十の者が絹を着て肉を食すことができ、人々が飢えることなく寒えることがない、そのような治世を顕した者で王とされぬ者は未だかつておりません。
家畜を養うために人々の食べ物を食らわせ、租税を節することを知らず、路に飢え死にする者があっても食べ物を分け与えることをしない。
それで人が死すれば、我のせいではない、今年は飢饉があったからである、と述べる。
これは人を刺して殺害し、我のせいではない、兵器のせいである、と述べるのと何の異なることがありましょうか。
王よ、年のせいにすることをやめるべきです。
さすれば、天下の民は慕い来たりてここに至るでありましょう、と。

今の世界の飢餓状態はどうなっているだろうか?

世界で飢えに苦しんでいる人の数(飢餓人口)は、8億5千万人。
これは日本の人口の約7倍。
また世界では、5秒に1人、5歳未満の子どもがなくなっている。
栄養のある食事が摂れないと病気への抵抗力がなくなり死亡しやすい。また毎年50万人の子どもが、ビタミンA不足で、失明している。

世界の飢餓は国際社会の政治が乳児を中心に殺戮しているといえるのではないだろうか。

国際社会を動かしているのは資本主義であり、金の力である。政治の金がピストルで乳児を5秒に1人殺しているといえるのではないか。

そして、日本の今はどうなっているだろうか?

食糧価格の高騰は、貧しい国の貧しい人ほど痛手。
元々給料のほとんどが食費なので、価格が上昇した場合、他をきりつめても、もはや買うことができない。
食糧価格高騰の原因は、1)人口増加、2)新興国の需要増、3)天候不順で不作、4)投機マネー、5)バイオ燃料、6)原油価格高騰で輸送コスト増

食料高騰の理由の一つに「投機マネー」がある。金儲けすることが食料を高騰させ、日本の7倍の8億5千万人を飢餓に追い込んでいるといえないだろうか。

戦争や内乱で、武器で5秒に1人を殺すのと、金儲けのために、食べ物を奪い5秒に1人を殺すのと、どう違うのだろうか?

アメリカがイラクやアフガニスタンに日本の基地から軍隊を派遣し、戦争し、人を殺している。

その日本の米軍基地は沖縄中心にたくさんある。

▼驚愕の日米関係:
日本は在日米軍基地で世界最大の基地負担。
全NATO諸国の負担額の1.6倍。全世界の半分以上。

▼メア国務省日本部長発言:
憲法が改正され、自衛隊が自分で機能するようになれば米軍は不要になることを認めたもの。
我が国を自衛隊が独自に守る態勢をとれば米軍不要ということ。
もっともな正論。
この正論を日本ではいう人がいない。ここまで明確に言われると日米同盟推進派困る。だから各紙無視

・・・孫崎 享のツイッターより

 アメリカの戦争に資金や土地で荷担することと、日本が戦争をしていることと、どう違うのだろうか?

 もし、アメリカが戦争をし、日本が戦争をしていないというならば、、金で人殺しを雇って殺すとき、人殺しをするのは殺し屋で、殺し屋を金で雇った者は人殺しをしていないということと同じではないか。

 

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なんでも無料にするとお金の姿が見えてくる

「お金のいらない日」に、集まった無料の商品をあげる際、問題になる2点がある。

1.1人のお客が無料ですべてもらっていく。

2,一つの商品を何人も欲しくなった場合。

 2の問題は欲しい者同士がジャンケンすればいい。

問題は1の1人ですべての商品をもっていかれる場合である。

この問題は今の世界のお金の自由経済において、現に起きていることである。100人の村のたとえのように、6人のアメリカ人が世界のお金のほとんどをもっているようになってしまう。

 お金とはどんな世界の商品・サービスを得られる権利のことである。それは、お金があればどんなモノも得ることができるというに他ならない。そのため、世界中の商品を独り占めしようとするのが、自由経済の姿なのである。それが経済格差が広がる姿でもある。

 そこで、1人5品までもらえるように制限すれば、多くの人にその品物がゆきわたることになる。それは、自由経済において、必要なことは、1人が持てる最高資産・財産を法律で決めなくてはならないということである。

 最低の所得保障を実現可能にするにはその財源を確保しなくてはならない。そのためには、自由経済において、1人の人が持てる最高資産財産を制限することである。

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タダ(無料)の輪作り

 お金のいらない日を開催するのだが、その際、もっとそれが広がるアイデアが出てきた。

それがただ(無料)の輪づくりである。

具体的にはこうだ。

1,お金のいらない日に集まった人の中の希望者に「タダ(無料)の輪会員証」を配る。

2,そして、何か欲しいモノやしたいことがあったら、その会員証を相手にみせれば、それが無料になるかもしれない。(相手がタダの輪会員であれば、無料になる確率が高くなる)

 いわば、タダの地域通貨発行である。こうした会員証を悪用されないように、きちんと住所氏名連絡先を登録しておく必要があろう。それはどんな商売でも同じであるから。

また、いちいち、相手に会員かどうかを聴くのも、また無料にしてほしいというのも言いづらいので、会員独自のサインをなにげなくみせればいいようにする。

 そのサインは「ノーマネイ」というもので、マネーというサインである人差し指と親指で輪をつくり、それを「いらない」という意味で、横に振るのである。

 もし、会員だったら、その意味がすぐわかるようにする。

これは、ヒッチハイクのサインを「タダの輪サイン」にして、車を乗るときだけでなく、どんな店であれ、どんな入り口であれ、この「タダの輪サイン」をすれば、みな無料でもらえるというものである。

 ヒッチハイクはさすがはずかしいが、もし、車が往来するときに、「タダの輪サイン」で手をふれば、止まってくれる人はきっと「タダの輪会員」である。でも、見知らぬ人が止まってくれても、怖いものである。そこで、止まってくれた車の人に「タダの輪会員証」を提示してもらえば、乗って安心である。

 ヒッチハイクの場合、乗せる方も乗る方も、相手が変な人かどうかが一番怖くて普及しないのである。しかし、こうした不安を「タダの輪会員証」があれば、なくすことがえでき、何か問題があった場合、その会員の人の番号を控えておけば、確実に文句がいえるようにすることができる。

 タダは世界共通のお金にすぐなることができる。そこにどんな言語も国も宗教も民族の違いをこえて、共通したお金である。タダに貧富の格差もない、あるのはただ人の繋がりだけがある。それも愛という絆があるだけである。

 また、お金のいらない日に、一つの商品が数人で取り合いになった場合はどうするかである。

 これこそ、無料のギャンブル経済である。

 「ジャンケン」で買った人がその商品をもらえることにすれば、ゲーム感覚でとてもおもしろく、しかも、ジャンケンで負けた人も納得がいくだろう。

 お金のいらない人の輪は、きっと「ギスギスしたお金社会」にホッとするようないっときを与えてくれるかもしれない。

 PS

1. 私はとにかく面倒なことはしたくないので、会員証の発行もmixiの名前だけで、メールでやりとりした方が楽である。そこで、mixiやfacebookで、コミュをつくって、そのメンバー同士で無料の輪を広げた方が楽である。

2.相手が「ノーマネーサイン」で、さらにタダの輪の会員か確かめるのに、質問と答えがあっていればいいようなものにすればまた楽である。例えば、・・「はじめまして?」という質問に対して・今年の会員ならば「良い天気ですね!」と答えるようなものが楽しくなるだろう。

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遺伝子組み換え食品の危険性

驚いた。遺伝子組み換え食品の危険性がこんなにあったとは下記のNHKのBS1で放送されていた。

 「アメリカに本拠を置くアグリビジネスの巨人「モンサント」の世界戦略。米国政界を取り込み、遺伝子組み換えのリスクを隠蔽し、圧倒的な世界シェアで市場をコントロールする脅威の多国籍企業」

前編

後編

 あまりにも知らされていない。

 世界の種子を支配することは、世界の食糧を支配することにつながる。それをしているのがモンサントである。しかも、それは除草剤などの農薬とセットで販売され、在来種であった食物も汚染されてしまう。それは農薬だけでなく、遺伝し組み換えされた食物の花粉から、在来種との交配が起こり、その種が遺伝し組み換え植物になってしまう。

 遺伝し組み換え食物によって、世界の農村は自給自足できなくなるだけでなく、貧困、病気が蔓延するようになる。インドの自殺者が遺伝し組み換えした綿花栽培で急増したように、遺伝し組み換え食物は「自殺遺伝し種子」である。

 モンサントの被害は各地に及んでいる姿の動画もある。

 大豆栽培が引き起こす悲劇

 自然と人間を破壊する遺伝し組み換え種子と企業の姿がここに映し出されている。

 自然農法を進める上で最も障害になるのが、このモンサントの世界戦略と、そこで生み出される遺伝し組み換え食物、それにセットのなった農薬である。

 まさに、世界は農薬を必要とする遺伝し組み換え食物の種子100種で、農薬を必要としない在来種子10000種が絶滅させられる危険が押し寄せてきている。世界の食物価格もこうしたモンサントに支配されてしまう。

 世界は武力と金で支配され、しかも、食料まで支配されたら・・・いやすでに支配されている・・その姿が今の世界の実状ではなかろうか。

 癌が3人1人の割合で死をもたらしている。その癌が食物添加物からくることはよく知られている。それと同じように遺伝し組み換え食品も食品添加物という同じ扱いをして、癌への危険性をうったえる必要があるように思えてくる。

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「すべて金」の社会に抵抗する「金のいらない日」を作ろう

いろいろな国民の休日があっても、本当に心休める日はあるだろうか?

 休日になると、どこかに遊びにいくとか、家でごろごろするくらいであろう。でも、毎日働いて疲れ切った神経を休めることはできそうにないだろう。

世の中で最も疲れるのは「金のために働く」ことではないだろうか?

そのため、毎日やりくりできるか金の計算ばかりしている。しかも、国の借金が1000兆円近くあるくらいだから、ほとんど借金返済のためだけに働いているというより、働かされているのではないだろうか?

 そもそも、世界が中央銀行制度を作り、そこでしか発行されたお金を借りて働かざるをえなくなり、それで得たお金をすべて返済していくことで経済が成り立つ仕組みになっている。

 だから、金を貸す人はセレブになり、世界を支配し、金を借りる人は経営者労働者となって、支配される構造になる。

 最近、就職ができなくて自殺する青年が多くなってきたが、それも原因は「お金のために働く障害に耐えきれなかった」のではなかろうか。

 私達がこうした「お金がすべての時代」に対する抵抗する一日があってもいいではないか。

 世界を変えるにはいろいろなデモがある。数十年前はストライキや平和運動のデモが盛んであった。最近では独裁者に対する抵抗をするデモがアフリカを中心に広がっている。

 しかし、悲しいことに多くの死者が出ている。もっと安全でユーモアあり、効果的なデモやストライキがあってもいいではないか!

 それが「金にいらない日」である。普段やっている仕事で、お客さんから、いっさいお金をうけとらないで働く日にするのだ。すると何か変わるだろうか?

 お金はめぐりめぐっているだけである。やっている仕事はお金がなくてもみなできることばかりであり、みないつもどうり生きていけることばかりであろう。

 そして、みなは、お金がなくても暮らしていけることを実感することができ、お金の呪縛から解放される一日になるだろう。

 4月1日にこのフリマ笹塚の店で、「金のいらない日」を開催し、参加者をmixiで募集して、今のところ、参加者は1名、お客は1名である。

 参加者が少ないため、自分の家にあるいらないモノを集めて、4月1日にお店に持っていこうと準備しだした。意外とあるものであり、捨てられなくて、倉庫に眠っているものがたくさんある。ヤフーのオークションでも売れないモノもたくさんある。

 こんな私でも、「売れない」「捨てられない」モノがたくさんあるのだから、それらを「あげられる」モノにして、家の中の空間を広げて快適にすることができるはずである。しかも、「あげられるモノ」が「もらった人」にとってとても役に立てばうれしいではないか!

 なんでもお金という社会に抵抗するには、いろいろな方法がある。しかし、誰でもが手軽にできることは、「金のいらない日」にみんな一緒になって、無料でいつものことをすることではないだろうか。1人でやっても、あまり効果はないが、国中がお金に翻弄されない世界に抵抗する一日をつくったら、世界は大きく変化するはずだ。

 例えば、昔の人格者であり、独裁者であったある王様は、混乱した商業社会にあって、それを正常にもっていくために、ある法律を突然1日だけ作った。

 「今までのどんな借金もすべてチャラにする」

 きっと、その翌日からは、みな自由な商業空間ができたことだろうと思うのである。

 こうした法律は議会民主制だと、秘密裏にやらねば難しいが、もし、「金のいらない日」が恒常化すれば、経済のリフレッシュとして、「借金がすべて消える日」が有効な手段になってくるのではないだろうか。

 すべて金で支配される社会に抵抗したい方の参加を希望します。 

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