薪コンロで毎朝調理していたら、ふと、半年分の分別した紙類、プラスチックごみ、汚れた燃えるコミ、燃えないゴミ、布類、ペットボトルなどはみな薪に入れたら、よく燃えるのではないか実験した。
すると、鉄やアルミ類やガラス陶器類は燃え残り、それはセメントで固めて、レンガにして利用できることを発見。唯一、電池などの危険そうな物質だけは粗大ごみで出すことにした。
生ごみは十数年前から電気生ごみ処理機で、いい香りのする肥料ができ、畑に播いているので、今回はほぼ99.9%は家庭でゴミ処理と湯を沸かしたり、料理したりするゴミこん炉として、一石三鳥の使い方ができた感じがする。
ただ、数十年目にできたダイオキシン(生理的には環境ホルモン)は突如毒があるとして法的禁止された。それまでは、どこの家庭でも、燃やしていたが、黒い煙がでて、匂いがするので、たぶん危険だろうと納得したのだろう。
今回、この黒い煙もほとんどでないし、匂いもほとんどしない燃やす方法を発見した。薪でも、不完全燃焼すると、白い煙がでるが、完全燃焼をすると、ほとんど煙がでない。
プラゴミでも、燃焼温度が高いので、こん炉はブロック6個半で組んで作った方が長持ちする。そして、プラゴミも完全燃焼させれば、黒い煙も、変な匂いもしなくなる。大きく硬いプラゴミはまず溶けるので、その下に薪を置くことで、溶けたプラを薪に絡みつかせ、燃やしやすくする。また、紙類はいちばん着火がよいので、そこに火をつけるとすぐつき、その上に柔らかいブラゴミを置くと、それはすぐ溶けて燃えて、高温になるので、紙だけよりも、プラゴミを混ぜた方がよく燃えるのである。
さらに、その上に、細かい薪、その上に太い薪をのせれば、ほぼ完全燃焼する。
これらすべて燃えた灰は白くなるが、途中水をかけるなどをして、プラゴミなどが不完全燃焼したものは黒い灰になり、匂いが残る。そのため、火は自然に消えるまで燃やし尽くすか、水をかけて消化した場合は、その灰や燃えカスは次回に完全燃焼させると、白い灰と匂いのしない灰になり、それで、焼き芋も作ったが、匂いもつかず美味しかった。
ちなみに、焼き芋は濡らした新聞紙にアルミホイルで包んで焼くと、新聞紙のインクが蒸発するので、匂いも味も悪く毒性になるのでやめて、アルミホイルも新聞紙など、なにもしないで、そのまま焼くと、皮もそのまま食べられて美味しい。
プラゴミは高温になるのでブロック6個半で組むのがいい
さらに、燃焼効率をよくするなら、二重コンロ、ロケットこん炉で高くすればよい
プラゴミが法的規制されたことは、
「科学が社会的デマに負けた」結果ともいえるだろう。きちんとして科学的データと、分別したリサイクル類が本当に再利用されているか、隠密裏に業者に委託されて燃やされているか、公に明示することが、大事であろう。そうすれば、科学がデマに負けて、無意味なまた悪循環するゴミシステムになることはなかろう。
参考に、9年前に、著名人が書いた本のダイオキシンと環境ホルモンの毒性の嘘が、その数十年前の農薬の残留物にあったとする記述を紹介する。
こうしたデータと、科学的検証と、分別ゴミの正確な行き先と、その量を明示されるよう、1日でも早く行われるよう切に祈りたい。
プラスチックゴミとダイオキシン
ほんとうの環境問題 池田清彦・養老猛司著 2008年発行より
p63-65
ゴミがないと困るハイテクのゴミ焼却炉
ゴミの処理をどうするかということで言えば、ゴミの焼却(とくに塩化ビニールのようなプラスチックゴミの焼却)による燃焼工程でダイオキシンが発生するということが問題になり、ダイオキシン類対策特別措置法(いわゆるダイオキシン法)が1999年に成立、2000年から発効となった。
2002年12月から本格的な適応が始まったそのダイオキシン法によって、家庭用焼却炉や学校の焼却炉では、紙ゴミや庭のゴミでさえも燃やすことができなくなった。
そのため、家庭用の焼却炉を製造販売していた会社は潰れてしまった。
代わりに、ゴミの焼却処分のために、住宅街から遠く離れた山の中などに、高熱でゴミを燃やせるようなハイテクの高級焼却炉が巨額を投じて建設された。
家庭用焼却炉ではなく、ハイテクの高級焼却炉をつくるメーカーはそれで相当儲かったわけだけれども、その高級焼却炉のある場所へゴミを車で運ぶためにだって相当のエネルギーがいるわけだから、そんなことをするくらいなら自分の家で燃やしたほうが本来は良いはずである。
そもそも、ダイオキシンの「環境ホルモン」作用で動物がメス化するだとか、家庭ゴミ焼却炉から出るダイオキシンで赤ん坊が死んでいる、などということが一時期よく騒がれていたけれども、それらはみんなウソであり、実はゴミを燃やして出るダイオキシンの量はそれ程多くはないことがわかっている。
ダイオキシンの量が増えた原因の大半は農薬であって(1960代後半から、1970年代末までに使われた水田の除草剤のペンタクロロフェノールやクロルニトロフェン中のダイオキシンが、分解速度が遅いためにその後も残存し続けているのである)、重大な健康被害を引き起こすような量のダイオキシンはゴミの焼却によっては生じないのである。
ハイテクの高級焼却炉というのはある意味で原子力発電所に 似ているようなところがある。
いったん稼動を止めてしまうと、再度、炉を高熱にするのにエネルギーがかかる。それでは効率が落ちてしまうから、そうならないためにずっと炉を稼動させてゴミを燃やし続ける必要があるのだ。
これは妙な話で、ゴミ処理を効率良くするために常にゴミがないと困ってしまうことになる。
ゴミを減らす 目的で作ったものなのにゴミがないとシステム上の効率が悪いからと、なんとしてもあちこちからゴミをかき集めてこなければならない、という変なことになってしまっているのである。
そんなにずっとエネルギーを大量に使って高熱を維持しているならば、場合によっては、その熱を別の 目的 に使うこともあっていいだろう。
ゴミ焼却炉と連動した温水プールがある例もあるようだけれども、私は、ハイテクの高級焼却炉でなら火力発電だってできるのではないかと思っている。
発電については後述するけれども、たとえばバイオ燃料 に比べても、ゴミからの発電の方が効率がいいはずである。なぜなら、それはただゴミを燃やすだけなのだから、生ゴミとペットボトルを混ぜて燃やせば充分発電ができると思う。
ハイテクの炉を稼動させるのにかなりのエネルギーと金がかかっているのなら、それを使って発電するぐらいのことは真面目に考えたほうが良い。