骨間筋ケア 4.骨間筋萎縮の原因は靴だった

私たちは毎日足を使って歩いています。

では、いったい何故、骨間筋の萎縮が起こるのでしょうか?

それは、そこの厚い靴やハイヒールなどを履いたために足の指を押さえつけ、骨間筋を使わなくなったことが大きな原因だったのです。

敗戦後GHQの政策で靴を履くように指導された後に、腰痛が増加したと聞いたことがあります。昭和30年代までは、草鞋、草履、下駄などが一般的だったことを考えると靴や椅子や洋式トイレなど生活様式の西洋化が、腰痛などの身体の不調が増加した大きな原因のひとつと考えられます。

実は、江戸時代はみな健康で腰痛はなかったようです。意外なようですが、武士も貴族も神官も庶民も一年中裸足が普通でした。長旅する時や飛脚は草鞋を履きました。

私も2年前から草鞋を履いて検証していますが、とても快適です。靴を履いたことで健康が損なわれたということは間違いないようです。

 

履物を選ぶポイントは、二つあります。

1.足の趾(あしゆび)が地面を蹴るときに背屈できるか

趾が背屈できれば、アキレス腱がバネとなって、背屈した趾が戻るときに前方へ推進力が生まれます。

裸足や草鞋で歩く時には、趾の屈筋を使わないので、省エネで長時間歩けるのです。

2.鼻緒が付いていれば骨間筋を鍛えることができるのでお勧めです。

足の踵が背屈できるか 鼻緒があって骨間筋を鍛えるかがポイント

足の踵が背屈できるか
鼻緒があって骨間筋を鍛えるかがポイント

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骨間筋ケア 3.ポイントは骨間筋

何故、足が大事なのでしょうか?

実は、足を施術した時に外反母趾の方が非常に多いのに気付きましたので、先ずその原因を探しました。一般に、外反母趾は靴により外側から物理的に締め付けられることが原因だと言われています。それも重要な理由のひとつでしょう。

しかし、足の骨間筋の萎縮により、足の横アーチが保つことができず、横に広がることが真の原因だということが分かりました。

足の骨間筋の萎縮により足の横アーチが保てず、横に広がってしまう

足の骨間筋の萎縮により足の横アーチが保てず、横に広がってしまう

この横に広がった状態を開帳足といいます。これに対して、縦アーチが消失した足を偏平足と言います。これも骨間筋の萎縮が関係していますが、ここでは省略します。

ここで、初めて骨間筋が最も重要だということが分かりました。

骨間筋は深いところにあるので普段触ることがなく、今までその重要性に全く気が付いていませんでした。

 

では、何故、骨間筋が萎縮すると腰痛になるのでしょうか?

私たちは日本の足で立ったり、歩いたり、走ったりしますが、そのためには十本の指が充分に働くことが必要です。その精妙なコントロールをしているのが骨間筋なのです。

下記の図のように、MRIで足の断面を見るとかなり広い部分が骨間筋で占められているのがわかります。このことから、いかに骨間筋が重要な働きを担っているかということが分かると思います。

足背・足裏・足横の筋肉図

足背・足裏・足横の筋肉図

実は、人は本来、骨間筋とアキレス腱(ヒラメ筋の腱)を使うだけで、疲れずに長時間、長距離を歩いたり走ったりできるのです。詳細は省きますが、人の足には驚異的な素晴らしい機構がたくさん備わっているのです。

しかし、骨間筋が萎縮すると、脳が足の状態を正確に把握できないため、最適な筋肉使うように指令を出すことができなくなります。その結果、ふらつくようになり、バランスをとるために、本来使わなくても良いはずの下腿の筋肉を疲労させてしまいます。そのため、疲れ易く、こむら返り、腰痛、股関節痛、膝関節痛などが出現し、最後には歩行不能となってしまいます。

外反母趾の方はもともと骨間筋が萎縮している上に、十本の趾をうまく使えないので歩行障害が早くきつく出ることになります。

 

今、寝たきりの高齢者の増加が深刻な問題になっています。

一般的には、老齢化により下腿の筋力の低下が歩行障害の原因と考えられているようですが、真の原因は骨間筋の萎縮です。

骨間筋が正常に働かなければ、いくら下肢の筋肉を鍛えても、筋肉をうまく使うことができません。従って、寝たきりを防ぐことはできないのです。そればかりか、筋トレの最中に事故を起こす危険性が大きくなります。筋トレに労力と時間を費やすよりも骨間筋を鍛えた方が遥かに効果があります。

人体は素晴らしい精密機械です。車やパソコンは使えば次第に消耗し、耐用年数を過ぎると新品に取り換えなければなりません。しかし、人体は使えば使うほど性能がアップします。使い過ぎても自分で修復してしまいます。

脳も手足を使わないから萎縮して歩けなくなったのが実態なのです。メンテナンスが良ければ限界はないのです。

 

非常に多くの方が誤解しているようですが、老化が原因で歩けなくなったのではありません。骨間筋を使わないから萎縮して歩けなくなったのが実態なのです。

とかく、足という素晴らしい道具を持ちながら、骨間筋を使って歩かないから身体も心も老化が進むのです。骨間筋を鍛えて歩き続ければ、一生健康で過ごせるのです。

 

高齢化社会が抱えているもう一つの大きな問題は、認知症の増加と言われています。実は、認知症も老化が原因ではありません。CTで脳が萎縮したとか、脳の細胞内にアミロイドが沈着したとかいうのはすべて結果を見ているだけです。

歩かないから脳の活動が低下しただけで、そもそも、認知症という病気は存在しないのです。骨間筋ケアで歩けるようになれば、身体も心も可動域が広がり、脳は再び活性化し、笑顔が戻った例はたくさんあります。

 

年と共に老化するというのは幻想です。もう老化は怖くありません!

 

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骨間筋ケア 2.すべての病気の原因は足だった

西洋医学では、痛みの場所に原因があると考え、まず痛みの場所を中心に画像診断を行います。

画像診断は大事ですが、いくらレントゲン検査、CT、MRIなど高度な画像診断を駆使しても それは単に結果をみているだけなのです。

西洋医学では、結果である画像診断に拘わりすぎて、真の原因を見つけることができないことに気付いていないのです。結果だけを変えようとしても 根本的に治療できないことは明らかです。

 

実は、真の原因はその下方にあったのです。

施術で腰痛が改善した後、ほぼ前例で、大腿二頭筋、膝、足首、足というように痛みの場所をどんどん下に辿っていくことができます。

そして、8割くらいの方に外反母趾などの足の骨に変形が見られ、鶏眼(魚の目)、タコ、イボなども2割くらいの方に見られました。また、腰痛だけでなく、五十肩、肩こり、頭痛などを訴える方の殆どが足に異常が見られました。

 

つまり、「整形外科的な慢性疼痛の殆どは足に原因がある!」という結論に至ったのです。

 

では、何故、真の原因である足が最初に痛まず、離れた場所の腰や肩や頭が痛くなるのでしょうか?

 

その理由を、腰痛を例にとって、次のように考えることができます。

その理由を、腰痛を例にとって、次のように考えることができます。

足に不具合があっても、人体は活動を続けるために、その上の筋肉(下腿、大腿)を使いバランスをとろうとする。その筋肉が疲労すると、更に上の筋肉(骨盤、脊柱起立筋)で、バランスをとろうとする。最上部の筋肉は、その上に庇う筋肉がないため、酷使されることになる。極限まで疲労が蓄積すると、警告として腰痛が発生する。

 

私の経験では、椎間板ヘルニアが神経を圧迫したり、腰椎の周辺組織が炎症を起こしたりして 腰痛が発生したと考えられる症例は皆無でした。真の原因は腰痛が起こるだいぶ前から足にあったのです。

しかし、痛みがなかったので気が付かなかったのです。ある期間が経ち、いよいよ庇いきれなくなった時に、足から遠く離れた場所に痛みが出現したと、こういう訳だったのです。

 

西洋医学では、人体を骨格の周りに筋肉という部品をつけて組み立てたロボットのように考えます。ですから、不具合の起きた場所に局所的な処置や手術、人工関節置換などを行います。その結果、仮に痛みが一時的に治まったとしても、根本的な治療ではないので、再発や副作用に悩む症例が非常に多いのです。

 

一方、ホリスティック医学では、人体はひとつの受精卵から発生し、頭から爪先まで膠原繊維ネットワークで有機的に繋がっており、その中で骨が浮いていると考えます。

発生学:受精後14日後に3層の配列ができる 中胚葉から高原繊維ネットワークが形成される

発生学:受精後14日後に3層の配列ができる
中胚葉から高原繊維ネットワークが形成される

これを張力統合体(Tensegrity)と言い、膠原繊維ネットワークの強力な張力が骨や臓器を支えていると捉え、柔軟性に富むのが特徴です。

膠原繊維ネットワークの張力が骨や臓器を支えている

膠原繊維ネットワークの張力が骨や臓器を支えている

ですから、人体の一部に不具合が生じても全体でバランスを取ることができます。その結果として、真の原因から離れた場所にゆがみが生じることがよくあります。そして、原因が取り除かれれば、基の状態に自然に復帰することができます。

足が原因で、遠く離れた腰や肩などに変形や痛みが生じるのはこういう理由なのです。また、足の施術だけで、腰や肩など離れた場所の疼痛が軽快することがよくありますが、その理由もこれで十分説明が可能です。

 

 

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足の骨間筋ケア 1.腱引きとの出会い

★高齢者学級の資料

2016年2月16日 ドクターK

***目次***

1.腱引きとの出会い

2.すべての病気の原因は足だった

3.骨格筋萎縮の原因は靴だった

4.骨間筋ケアの実践


1.腱引きとの出会い

 

私は50年間腰痛に苦しんできました。

西洋医学では、痛みの原因を炎症と考えますので、いろいろな消炎鎮痛剤を試してきましたが、殆ど効果はありませんでした。

ところが、3年前腱引きに出会い、長年苦しんできた腰痛が一撃改善したことに強い衝撃を受けました。

しかも、腱引きというのは日本の伝統療法で西洋医学よりも歴史が古く、効果があるにも拘わらず、絶滅寸前だったということが分かり、更に衝撃を受けました。

この時、この素晴らしい伝統療法を復活させることが私の天命だと自覚しました。

同時に、痛みの原因は炎症ではなく、必ず別のメカニズムがあるはずだと直感し、腱引き療法の秘密を解明すべく研究を始めました。

1年後、腱引きで痛みが改善した理由は、腱紡錘の刺激によってブレーキが解除され、可動域が広がり、その結果痛みが消えることが分かりました。

すなわち、痛いから動かせないのではなく、それ以上動かすと筋肉が損傷するので、痛みというブレーキを掛けて筋肉を保護していたことが分かりました。

ただ、一度ブレーキが掛かるとなかなか自分では外せないので、施術を受けてブレーキを外してもらう必要があります。

 

更に、病気とは何か、どうしたら健康を維持できるかなどについて重要なヒントを得ることができました。

西洋医学では、痛みは不要なもの、悪いもの、直ちに取り除くべきものとして鎮痛剤を服用したり、駐車したり、手術したり、人工関節を入れ替えたりします。

一方、腱引きを始めとするホリスティック医学(全身的医学)では、痛みを含めた症状は人体の恒常性を維持するために必要なもの、有難いものと考え、痛みを利用して診断と治療をしていることが分かりました。

 

こういう全く逆の考え方に出会えたことが、私にとって絶好の転機となりました。

次の表のように、西洋医学とホリスティック医学を比較することで、目からどんどん鱗が落ちて、真実が次々と見えてきたのです。

ホリスティック医学と西洋医学の比較

ホリスティック医学 西洋医学
発想の元 ポジティブ ネガティブ
痛みなどの症状についての考え方 良いもの・生理的反応と考え、取り除かないで利用する 悪いもの・不要なもの・直ちに取り除くべきもの
例:腰痛の原因 筋肉を保護するための警告 椎間板ヘルニアの神経圧迫・椎体周辺の炎症
人体を見る方法 マクロ的に全身を見る ミクロ的に細かく分析する
人体のとらえ方 張力統合体(テンセグリティ)として全体を見る 骨の廻りに筋肉という部品を取り付けたロボットと考える
診断方法 痛いところだけではなく、患者さんの全身に直接触れて診断 痛い場所の画像診断を重要視
治療の主体 患者さんが主体・医師は治療のお手伝い 医師が主導・患者さんは医師の指示に従う
治療の仕方 自然治癒力を引き出すための手伝いをする=真の治療だから副作用無し 合成化学薬品の投与、局所的な処置、手術=対症療法、副作用有り
治療の効果 真の原因を取り除くので完治 結果を変えようとするので却って長引いたり、悪化したりする
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毎日3分でできる足と手の骨間筋ケア

健康で幸せな人生のために **自分の体と対話を楽しむ**

健康で幸せな人生のために**自分の体と対話を楽しむ**

  • 大阪 正幸会病院
  • 副院長 栗原 幸二 先生より伝授
  • 文と絵 鋸南町地域包括支援センター 保健師 野中 由美
    一般社団法人 筋整流法協会

◎知っているようで知らない自分の体を

◆鏡で・・お互いに・・姿勢チェック!

  • 正面からみて、肩の高さが左右同じか?
  • 真横からみて、肩の上に耳があるか?

◆体を動かしてチェック!

  • 足ぶみ・・足ぶみして足底が床につく
  • 足のぐ~ぱ~
    ぐ~の時、指と指が重ならないか?
    ぱ~の時、しっかりと指がひろがるか?
  • 足の指で床をつかむ
    足の指5本で床をつかみ5本全部の指に力が入っているか?
  • #骨間筋のケアが終わったら再度チェック

ポイントは?! 骨間筋

✴刺激の方法

手足の骨と骨の間にある使わていない筋肉を指を直角に差し込みて刺激する

手足の骨と骨の間にある使わていない筋肉を指を直角に差し込みて刺激する

親指と人差し指でつまむようにし、骨に対して直角に入れ込み、少々痛みを感じるくらい刺激します。

≪足≫

骨格筋刺激から足底そして足踏み・足ぐ~ぱ~・床つかみ

骨格筋刺激から足底そして足踏み・足ぐ~ぱ~・床つかみ

①両足の骨間筋をすべて刺激したら、足底も同様に刺激します

②足踏み・足ぐ~ぱ~・床つかみをして骨格筋を調整します

≪手≫

両手の骨格筋・手のひら・指と指を合わせて親指から小指まで回す

両手の骨格筋・手のひら・指と指を合わせて親指から小指まで回す

①両手の骨間筋をすべて刺激したら、手のひらも同様に刺激します

②両手の指と指をあわせて、親指からゆっくり大きく2、3回 回し小指まで行います

 

◎最後に肩の間接可動域を広げます!

  • 肩関節を動かさないように固定して筋肉を収縮させることがポイント!
    これで収縮した筋肉が緩み、肩の間接可動域が広がります
  • 5キロもある頭をしっかり背骨にのせることで姿勢が美しくなり体調も整ってきます
  • 肩があがらないように 注意!
両腕を後ろに組み肩を前に 両腕を前で組み肩を後ろに

両腕を後ろに組み肩を前に
両腕を前で組み肩を後ろに

①両腕を背骨側で組み、両肩を前に動かす感じで6秒停止させます5

②ゆっくり力を抜きます

③両肩を胸側で組み、両肩を後ろに動かす感じで6秒停止させます

④ゆっくり力を抜きます

⑤両肩をゆっくり大きく回します
前に3回、後ろに3回

⑥首を左右にゆっくり大きく回して終了です

 

◎気づいたらいつでもOK

体を温めると神経伝達が早くなり、効果倍増するので

骨格筋運動は入浴中や後が最適

骨格筋運動は入浴中や後が最適です

 

 

 

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